「回線契約を他社に乗り換えるためにSIMロック解除したい」
「将来、乗り換えするかもしれないから、今のうちにSIMロック解除しておきたい」
「とはいえ、SIMロック解除すると何かデメリットはあるだろうか?」
このような疑問を抱く人も多いと思います。
本記事では、SIMロック解除にデメリットはないことについて解説します。
解除する前に確認すべき注意点についても解説するので、SIMロック解除を検討している人は、ぜひ最後まで読んでいって下さい。
【結論】SIMロック解除のデメリットはない
私たちユーザーにとって、SIMロックを解除するデメリットはありません。
もともとSIMロックとは各通信会社がユーザーの囲い込みを目的に設定しているもので、他の会社に乗り換えにくくするためのものでした。
これでは通信各社による競争が生まれにくく価格やサービスの質の改善への努力が生まれづらいですよね。
そこで総務省は2021年10月以降に購入された端末からはSIMロックをかけることを原則禁止しました。
さらに2021年9月以前に購入された端末では今のところSIMロック解除手数料が3,000円かかりますが、2023年10月からは店舗でもオンラインでも解除手数料がかからなくなります。
これだけ急速に改善が施されるほどSIMロックというものは通信会社からユーザーに一方的に課された足かせのようなものだったんですね。
端末をそのままに、回線を他社に乗り換えたいならSIMロックという足かせを解除してしまいましょう。
大手3社のSIMロック解除の手順はこちらの箇所で見られます。
SIMロック解除の3つのメリット
SIMロック解除には3つのメリットがあります。
利用できる通信キャリアの選択肢が広がる
SIMロック解除により、利用できる通信キャリアの選択肢が広がります。
というのも、今使っている端末のまま、通信キャリアだけを変更できるからです。
例えば、他社の料金プランに魅力を感じ、乗り換えしたいと思っても、端末が通信規格に対応しておらず断念した経験はありませんか。
また、端末には不満はないけど、他社の料金プランに乗り換えしたいと思う人も多いでしょう。
SIMロック解除できないと、通信キャリア変更時に端末も購入する必要があり、乗り換えしにくい要因となっていました。
SIMロック解除可能になり、使い慣れた端末のまま乗り換えできるので、利用できる通信キャリアの選択肢が広がっています。
端末買取金額がアップするかも
SIMロック解除により、端末の買取金額がアップするかもしれません。
なぜなら、契約解除後の端末をSIMロック解除する手間や、解除料金が掛かることを買取店は避けたいからでしょう。
中古スマホ買取と販売をしているイオシスは、SIMロック解除端末を通常よりも高く買取るとウェブサイトに公表しています。
他にも、TSUTAYAスマホ買取、iPhone高価買取のクイック、スマホ買取ジャパンのウェブサイトにも、SIMロック解除端末は買取価格がアップする可能性を記載されています。
今使っている端末を買取店に売るつもりがあるなら、SIMロックを解除して、少しでも高く売れるようにしておきましょう。
海外SIMを使える
SIMロック解除により、海外SIMが利用可能となり、今まで使っていた端末をそのまま海外で利用できます。
というのも、国内通信キャリアと海外SIMが使う電波の周波数帯が違っていても、SIMロック解除済みの端末なら対応できるからです。
例えば、iPhoneはほとんどの国で使えるほど、対応している周波数帯が多い端末ですが、SIMロックされていると、電波をつかめず海外で使えなくなる場合があります。
とはいえ、海外で使用するために、高価な端末を購入するのは抵抗がありますし、2台持ちは管理が手間になります。
今まで使っていた端末を海外でも使えるよう、渡航前にSIMロック解除をしておきましょう。
ただし、SIMロック解除しても、端末自体が海外SIMの周波数帯に対応していなかもしれません。
利用したい端末の対応する周波数帯を調べて、渡航先で利用可能か確認することをおすすめします。
SIMロック解除前に確認しておきたい注意点
SIMロック解除にデメリットが無いことをご理解頂けたと思いますが、注意点はあります。
具体的な注意点8つを下記にまとめます。
- 回線契約を解約しないなら不要
- 回線利用料金や割引サービスは変わらない
- SIMロック解除できる条件がある
- SIMロック解除できない端末がある
- 店舗での手続きは有料になる
- スマホ内のデータが消えるかもしれない
- 個人情報の取り扱い
- 修理対応はどうなる?
回線契約を解約しないなら不要
そもそも、今まで通り端末と回線契約を維持する予定の人は、わざわざSIMロック解除する必要はありません。
というのも、SIMロック解除は、他社への乗り換えや海外SIMの使用など、目的があって実行するものだからです。
SIMロック解除はいつでもできるので、必要になった場合のみ実行すれば問題ありませんよ。
回線利用料金や割引サービスは変わらない
SIMロック解除をしても、回線利用料金や割引サービスに影響ありません。
というのも、SIMロック解除イコール、回線契約の解除ではないからです。
とはいえ、将来、通信キャリアの乗り換えに備えて、事前にSIMロック解除しておきたい人もいると思います。
事前にSIMロックを解除しても、回線契約にペナルティが発生しないので心配ありませんよ。
このように、回線利用料金や割引サービスに影響はないので、そのまま使い続ける人でもSIMロック解除しても問題ありません。
SIMロック解除できる条件がある
SIMロック解除できるのは、下記の条件に当てはまる人です。
- ネットワークに利用制限等が掛かっていないこと。
- 機種代金を支払い済みのこと。もしくは、機種購入後100日経過していること。
ネットワーク利用制限されていないかは、通信キャリアのウェブサイトで確認できます。
下の表に各通信キャリアごとの、利用制限確認ページをまとめたので、調べたい人はクリックして下さい。
キャリア | ウェブサイト |
---|---|
ドコモ | ネットワーク利用制限携帯電話機確認サイトはこちら |
au | ネットワーク利用制限携帯電話機照会はこちら |
Softbank | ネットワーク利用制限携帯電話機についてはこちら |
端末の機種代金が支払い済みかについても、通信キャリアのウェブサイトで確認できます。
下の表に各通信キャリアごとの、機種代金支払い状況確認ページをまとめたので、調べたい人はクリックして下さい。
キャリア | ウェブサイト |
---|---|
ドコモ | 料金の確認・お支払いについてはこちら |
au | 分割支払金残額の確認方法にについてはこちら |
Softbank | 機種代金のお支払い状況をMy SoftBank(オンライン)で確認するならこちら |
ちなみに、端末を一括購入された人は、問題なくSIMロック解除できますよ。
自分の端末がSIMロック解除の条件に当てはまるか、確認してみて下さい。
SIMロック解除できない端末がある
お使いの端末がSIMロック解除できない場合もあります。
というのも、機種が古くてOSの更新ができず、SIMロック解除に対応できない場合もあるからです。
2015年以前に購入した機種は特に注意が必要なので、事前に確認しておくのがおすすめですよ。
下の表にまとめている、各大手通信キャリアのウェブサイトから、SIMロック解除対応機種か確認してみて下さい。
キャリア | ウェブサイト |
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ドコモ | 2015年5月以降に発売されたSIMロック解除対応機種はこちら |
au | SIMロック解除対象機種一覧のご確認はこちら |
Softbank | 「SIMロック解除機能が搭載されている機種を教えてください」はこちら |
なお、2021年10月1日以降に購入した端末は、最初からSIMフリーの端末なので、SIMロック解除申請の必要はありません。
店舗での手続きは有料になる
SIMロック解除を店舗で行うと、事務手数料(3,300円)が発生します。
というのも、通信キャリアのウェブサイトで、簡単に申請できるようになっているからです。
ウェブサイトは自動で動いていますが、店舗ではほとんどのことを人が対応します。
したがって、店舗や電話でSIMロック解除をお願いすると、費用が発生するのですね。
理由がない限り、ウェブサイトで申請するのがおすすめですよ。
スマホ内のデータが消えるかもしれない
SIMロック解除を実行すると、スマホ内のデータが変化したり、最悪の場合消えてしまったりするようです。
というのも、SIMロック解除する際に、設定ファイルの更新が必要で、設定の一部に変更生じるからだそうです。
可能性は非常に低いでしょうが、大事なデータが消えてしまったら取り返しがつきません。
事前にバックアップを取ってから、SIMロック解除の申請をおすすめします。
個人情報の取り扱い
SIMロック解除の際に、個人情報の取り扱いに同意する必要があります。
というのも、個人情報入力等をしないと、申請できないからです。
もし、個人情報が漏れた場合、プライバシー上のリスク増大につながるかもしれません。
とはいえ、通信キャリアや店舗は万全の状態で管理をしていますし、入力するのは基本的な情報なので、同意して問題ない人がほとんどでしょう。
修理対応はどうなる?
通信キャリアで購入した端末であれば、修理対応しています。
なぜなら、販売した端末の問合せ窓口を明確にするよう、総務省のガイドラインに記載されており、各社が対応すると明記しているからです。
回線契約を解除した後でも、修理対応可能なことが公表されていますよ。
あくまで、販売元の通信キャリアが窓口になるので、購入した店舗に問合せするのが確実でしょう。
SIMロック解除後に乗り換えする場合の注意点
SIMロック解除後、他社へ乗り換えする際にも注意点があります。
というのも、SIMロック解除は端末内の設定を変更するのに対し、乗り換えは通信回線の解約であり、両者は全く異なるからです。
例えば、提供される料金プランは乗り換え先によるので、支払う月額利用料が変わるでしょう。
また、乗り換えによって、適用されていた割引サービスは無くなるかもしれません。
事前に注意すべき点をまとめたので、確認した上で他社への乗り換えを進めてください。
乗り換え先で利用可能か調べておく
SIMロックを解除したとしても、乗り換え先で端末を使えるかは調べておく必要があります。
というのも、乗り換え先の通信規格に対応していない端末もあるからです。
例えば、ドコモの通信規格には対応していても、auの通信規格に未対応などのケースが考えられるでしょう。
中古市場で人気のiPhone8は、国内販売モデルでSIMロック解除されていれば、すべての通信キャリアで使用可能です。
一方、Android機種は対応している通信規格に差があります。
乗り換え先のウェブサイトで、使用可能端末一覧に自分の機種があるか、事前に確認をおすすめします。
通信利用料金が上がる場合もある
乗り換えによって、利用料金が上がる場合もあります。
というのも、通信キャリアは割引サービスを提供しており、適用している人が多いからです。
例えば、家族全員で同じ通信キャリアを使っている場合に、主回線契約者が他社へ乗り換えすると、家族割が解除されるかもしれません。
このように、乗り換えによって安いプランを選択したはずなのに、利用料金が上がってしまうケースには注意すべきです。
もし不安なら、今契約している通信キャリアの問合せ窓口に連絡して、解約した場合にどうなるかを確認しておきましょう。
キャリアメールなど一部の機能が使えなくなる
乗り換えによって、一部機能が使えなくなる場合もあります。
というのも、回線契約者を優遇して、オリジナルのサービスを提供している場合もあるからです。
代表的なサービスとしてキャリアメールがあります。
解約後31日以内に移行手続きをすれば継続して使えますが、乗り換え後は月額有料サービスになります。
他にも、SoftbankならYahooプレミアム会員が使い放題ですが、他社への乗り換えで、有料サービスへと変更になるケースもあるでしょう。
契約者だから使えていた機能やアプリケーションが、使えなくなるのは当然ですね。
解約してから後悔しては取り返しがつきませんので、事前に今使っている通信キャリアに問合せをして、確認しておきましょう。
一部の緊急速報メールが受信できなくなる可能性も
乗り換えによって、一部の緊急速報メールが受信できなくなるかもしれません。
というのも、緊急速報メールは公的機関から通信キャリア各社に送られた後、私たちへ発信されるからです。
例えば、大手通信キャリア3社(ドコモ・au・Softbank)の回線を借りて通信サービスを展開しているMVNOと契約した場合、緊急速報メールが端末に届くかは保証されていません。
大手通信キャリア3社で端末を購入し、かつ回線契約している場合は安心ですが、それ以外の場合は受信できるか明確に分からないでしょう。
万全の状態にしておきたい人におすすめなのは、「Yahoo!防災情報アプリ」「goo防災アプリ」の2つをインストールし、設定しておくことです。
総務省も推奨しているアプリなので、念のためでも入れておくといいですよ。
たとえ大手通信キャリアから乗り換えしたとしても、上記の対応で防災情報を漏れなく受信できるでしょう。
家のWi-Fiは使える?
通信回線の乗り換えは、家のWi-Fi機器に影響しません。
というのも、家のWi-Fiに使う回線と、端末用に契約する回線は明確に違うからです。
家のWi-Fiは光回線やケーブルテレビ回線などを、無線に変える目的で使われています。
一方、端末用の回線は、通信キャリアが無線で飛ばしている電波を使っています。
このように、家のWi-Fiと端末の通信回線はそれぞれ独立しているので、乗り換えによる影響を受けません。
補足として、SIMロック解除も家のWi-Fiには影響ありません。
というのも、SIMロック解除は通信キャリアが提供する、機能やサービスに掛けられた制限を解除するために行うからです。
したがって、SIMロック解除をしても、家のWi-Fiには影響ありません。
ただし、090や080などで始まる電話回線は、Wi-Fiだけでは使えないので注意してくださいね。
SIMロック解除端末でもテザリングは使える?
テザリングが使えるかどうかにSIMロック解除は関係なく、乗り換え先の通信キャリア次第です。
というのも、SIMロックでテザリング機能は制限されていないからです。
テザリング機能に関わるのは、APN設定というもので、各通信キャリアにより異なるものが提供されています。
したがって、テザリングが使えるかどうかは、あらかじめ乗り換え先のウェブサイトで確認しておきましょう。
SIMロック解除のやり方をキャリア別に解説
SIMロック解除のやり方をキャリア別に解説します。
ドコモの場合
ドコモの場合は下記の通りになります。
申請先 | やり方 |
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ウェブサイト |
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電話 |
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店舗 | ドコモショップへ携帯電話を持っていき、SIMロック解除を申請 |
auの場合
auの場合は下記のとおりになります。
申請先 | やり方 |
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ウェブサイト |
|
電話 | ウェブサイトに記載なし |
店舗 | au Style/auショップ・auスクエアへ携帯電話を持っていき、SIMロック解除を申請 |
Softbankの場合
Softbankの場合は下記のとおりになります。
申請先 | やり方 |
---|---|
ウェブサイト |
|
電話 | ウェブサイトに記載なし |
店舗 | ソフトバンクショップへ携帯電話を持っていき、SIMロック解除を申請 |
2021年10月以降、SIMロックは原則禁止に
2021年10月以降、端末へのSIMロックは原則禁止になっています。
というのも、総務省が2021年8月10日に最終改正した、ガイドラインに明記されたからです。
したがって、2021年10月以降に購入した端末にはSIMロックはなく、解除の手続きも不要。
もちろん、SIMロックをかける方法は残されていますが、通信キャリアが様々な手続きで総務省に申請しないといけないので、相当な理由がない限り実施しないでしょう。
2023年10月以降、店舗でもSIMロック解除料は無料に
2023年10月1日以降、店舗でもSIMロック解除料は無料になるようです。
SIMロック原則禁止と同様、2021年8月10日に最終改正したガイドラインに、明記されているからです。
わざわざ2023年10月まで待つ必要はありませんが、店舗でしかSIMロック解除申請できない人には朗報でしょう。
まとめ
端末のSIMロックを解除しても、私たちユーザーにデメリットはありません。
なぜなら、通信キャリア側の都合でSIMロックが設定されているからです。
SIMロックの主な目的は社会的損失の回避とされていましたが、通信キャリアの本音は、自社の損失回避とユーザーの囲い込みだったのでしょう。
実際、SIMロックの原則禁止を実施した後、大きな混乱は見受けられません。
したがって、SIMロック解除によるデメリットは無いと言えるでしょう。
しかし、SIMロック解除する前に確認すべき注意点はあります。
とはいえ、リスクを理解し、事前準備さえしておけば避けられることばかりなので、過度な心配はいりません。
また、回線契約の変更を目的に、SIMロック解除する人が多いと思います。
SIMロック解除と回線契約の変更は全く異なるので、それぞれの注意点を正しく理解しましょう。
今では、格安SIMと呼ばれるMVNOが多様なプランを展開しています。
自分のニーズに適したプランを選択して、適切な料金でスマホを使えるようにしていきましょう。