「ポケット型Wi-Fiはどこでもネットに繋げられる仕組み」といった認識の人も多いはずです。
確かにあらゆる場所でWi-Fiに接続できますが、人によっては向き・不向きがあります。ポケット型Wi-Fiの仕組みや固定回線との違いを理解しておくのがポイントです。
この記事では、ポケット型Wi-Fiがネットに繋がる仕組みを解説します。ポケット型Wi-Fiのメリット・デメリットも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
ポケット型Wi-Fiとは
ポケット型Wi-Fiとは、簡単に持ち運びできるWi-Fiです。モバイルルーターとも呼ばれます。
ポケット型Wi-Fiのことを「ポケットWi-Fi」と呼ぶ人もいますが、厳密に言えば間違っています。ポケットWi-Fiは「Pocket WiFi」と表記され、ワイモバイルが販売している商品名です。
持ち運び可能なルーターを「ポケットWi-Fi」と呼ぶのではありません。「Pocket WiFi」はポケット型Wi-Fiの1つです。
有名なポケット型Wi-Fiには以下があります。
高速通信が可能だったり契約期間がなかったりと、それぞれ独自の強みを持っています。
ポケット型Wi-Fiの仕組みは?固定回線との違い
ポケット型Wi-Fiの仕組みと固定回線との違いを解説します。両者の違いを理解して、ポケット型Wi-Fiを使うべきかどうか判断しましょう。
ポケット型Wi-Fi | 固定回線 | |
---|---|---|
工事 | 不要 | 必要 |
持ち運び | 可能 | 不可能 |
利用場所 | 屋内・屋外 | 屋内 |
回線速度 | 普通〜速い | 速い |
回線の安定性 | 普通 | 高い |
データ通信量 | 制限あり | 無制限 |
費用相場 | 4,000円台 | 5,000円台 |
ポケット型Wi-Fiは基地局から電波をキャッチ
ポケット型Wi-Fiは基地局から電波をキャッチしています。スマホと同じように4GLTE回線や5G回線を利用することで、通信ができる仕組みです。
基地局を整備している通信事業者は以下の通り。
- ドコモ
- au
- WiMAX
- ソフトバンク
- 楽天
上記の基地局から回線を借りている「MVNO回線」でもポケット型Wi-Fiは使えます。仕組みは格安SIMと同じです。
格安SIMとは、3大キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の回線を借りて運用されるサービスです。3大キャリアに比べて月々のスマホ代が安くなります。
MVNO回線を使ったポケット型Wi-Fiの代表例は以下の通りです。
固定回線は自宅に回線を引く
固定回線は、自宅に回線を引くことでインターネット通信が可能です。物理的に回線を引くため、基地局から電波をキャッチするポケット型Wi-Fiとは仕組みが異なります。
固定回線のメリットは以下の通りです。
- 通信速度が速い
- 回線が安定している
- データ通信量に制限がない
ポケット型Wi-Fiに比べると、安定したインターネット回線を利用できます。
ポケット型Wi-Fiは意味がない?デメリットまとめ
ポケット型Wi-Fiを導入するのは意味がないのでしょうか。4つのデメリットを解説します。
- 回線が不安定
- 契約期間に縛りがある
- 完全無制限では使用できない
- セキュリティ上の危険性がある
あらかじめポケット型Wi-Fiのデメリットを把握しておけば、導入してから後悔しないでしょう。
回線が不安定
ポケット型Wi-Fiは回線が不安定です。場所や時間帯によっては、電波をキャッチしにくいケースがあります。
例えば以下の場所や時間帯は、回線が不安定になりやすいでしょう。
- 地下
- トンネル内
- 昼
- 夕方
ポケット型Wi-Fiより固定回線のほうが安定性は高いと言えます。自宅メインでWi-Fiを利用するなら、ポケット型Wi-Fiより固定回線のほうがおすすめです。
契約期間に縛りがある
ほとんどのポケット型Wi-Fiには、契約期間に縛りがあります。契約期間中はずっと使い続けなければなりません。契約期間内に解約すると、違約金が発生するからです。
例えば高速通信が人気の「GMOとくとくBB WiMAX」は、契約期間が3年です。解約期間別に以下の通り違約金が定められています。
- 1〜12ヶ月目まで:20,900円(税込)
- 13〜24ヶ月目まで:15,400円(税込)
- 25ヶ月目以降:10,450円(税込)
早く解約するほど、違約金が高くなります。違約金を支払いたくない人は、契約更新月に解約しましょう。GMOとくとくBB WiMAXは、37ヶ月目が契約更新月です。
「縛られないWiFi」は契約期間に縛りがありません。いつ解約しても違約金が発生しないため、契約期間の制約を受けたくない人におすすめのポケット型Wi-Fiです。
完全無制限では使用できない
ポケット型Wi-Fiのデータ通信量は、完全無制限ではありません。以下の通り制限があります。
- 1ヶ月〇〇GBまで
- 3日間で〇〇GBまで
- 実質無制限
完全無制限で使えてしまうと、一部のユーザーに回線を独占されやすくなります。回線が圧迫されれば、大多数のユーザーが迷惑を被ってしまうのです。
できるだけ多くのデータ通信量を使いたい人は、実質無制限のポケット型Wi-Fiがおすすめです。回線混雑時に速度制限がかかるものの、データ通信量の上限を気にせずポケット型Wi-Fiが使えます。
セキュリティ上の危険性がある
ポケット型Wi-Fiにはセキュリティ上の危険性があります。例えばパスワードを盗まれる危険性です。
パスワードさえわかれば、誰でもポケット型Wi-Fiを利用できます。悪用されないよう、パスワードは厳重に管理しましょう。
ただしインターネット回線は、セキュリティ上の危険性が付きものです。パスワード漏洩の危険性はポケット型Wi-Fiに限った話ではありません。
安易に人へ教えない、ポケット型Wi-Fi本体にパスワードをメモ書きしないなど、基本的な対策を実施すれば問題ないでしょう。
ポケット型Wi-Fiのメリット
ポケット型Wi-Fiのメリットを4つ解説します。メリットを踏まえて、ポケット型Wi-Fiを導入するか判断してください。
- 工事不要で使える
- 固定回線より料金が安い
- 1日利用からレンタル可能
- どこでもWiFiに接続できる
工事不要で使える
ポケット型Wi-Fiは工事不要で使えます。NURO光など固定回線のように、インターネットを使うための工事が必要ありません。
ポケット型Wi-Fiは、申し込んだ日に即日配送してくれるものもあります。最短で翌日に手元へ届くなど、すぐ使い始められるのが嬉しいポイントです。
今すぐポケット型Wi-Fiを使い始めたい人は、郵送ではなく店頭で申し込みましょう。その場で受け取れる場合があります。
固定回線より料金が安い
ポケット型Wi-Fiは固定回線より料金が安くなります。リーズナブルにインターネットを使えるのがメリットです。
「GMOとくとくBB WiMAX」と「NURO光」で、月額料金を比較しました。
GMOとくとくBB WiMAX | NURO光 |
---|---|
1〜2ヶ月目:2,079円 3〜36ヶ月目:4,389円 |
5,200円 |
※金額は税込
ポケット型Wi-Fiの相場は4,000円前後です。一方で固定回線の場合、5,000円を超えるものがほとんどでしょう。
月額料金以外にも、固定回線は工事費がかかります。料金総額で考えた場合も、ポケット型Wi-Fiのほうが安く利用できます。
1日利用からレンタル可能
ポケット型Wi-Fiは1日からレンタル可能です。旅行や出張など、シーンに応じて柔軟に使えます。
例えばWi-Fiレンタル屋さんは、1日390円からレンタル可能です。
17時までレンタルの申し込みを行えば、当日中に出荷してくれます。最短翌日の午前中には手元に届くため、急なスケジュール変更にも調整しやすいでしょう。
ポケット型Wi-Fiには2、3年の契約期間が定められています。契約期間中に解約すると違約金が発生するもの。契約期間に縛られたくない人は、レンタルを活用しましょう。
どこでもWiFiに接続できる
ポケット型Wi-Fiがあれば、どこでもWi-Fiに接続できます。ほとんどのポケット型Wi-Fiは、対応エリアが全国に広がっているからです。
ポケット型Wi-Fiは3大キャリアが整備する基地局の電波をキャッチしています。基地局は日本全国に広がっているため、ポケット型Wi-Fiも広範囲で使用できるのです。
ポケット型Wi-Fiを使うのがおすすめな人の特徴
ポケット型Wi-Fiを使うのがおすすめな人の特徴を解説します。以下に1つでも当てはまる人は、ポケット型Wi-Fiの導入を検討しましょう。
- 1人でインターネットを利用する
- 自宅で固定回線の工事ができない
- 外出先でインターネットに接続したい
1人でインターネットを利用する
1人でインターネットを使う人はポケット型Wi-Fiがおすすめです。ポケット型Wi-Fiは接続台数が決められています。
例えばGMOとくとくBB WiMAXの「Speed Wi-Fi 5G X11」は、16台まで同時接続可能です。しかしポケット型Wi-Fiの中には、同時接続台数が1桁のものもあります。
基本的にポケット型Wi-Fiは1人で使うのがおすすめです。同時接続台数が多くなると通信速度が低下します。
自宅・外出先問わず1人でインターネットを使う人は、ポケット型Wi-Fiを使いましょう。
自宅で固定回線の工事ができない
自宅で固定回線の工事ができな人はポケット型Wi-Fiを活用しましょう。ポケット型Wi-Fiは工事不要でWi-Fiを使えます。
マンションやアパートの中には、回線工事ができない物件もあります。物件として工事NGなので、固定回線を使用できません。
ポケット型Wi-Fiがあれば、どこでもWi-Fiに接続できます。
外出先でインターネットに接続したい
外出先でインターネットに接続したい人はポケット型Wi-Fiがおすすめです。ポケット型Wi-Fiを使えば、スマホのデータ通信量を節約できます。
特に格安SIMを利用している人は、データ通信量を使いすぎないよう気を遣うでしょう。月々のデータ通信量に制限があるからです。
Wi-Fiに接続すれば、データ通信量は消費しません。外出先で調べものをする機会が多いなどよくインターネットに接続する人は、ポケット型Wi-Fiが最適です。
ポケット型Wi-Fiが必要ない人の特徴
ポケット型Wi-Fiが必要ない人の特徴を解説します。以下に当てはまる人は、ポケット型Wi-Fiを導入する必要性が低いでしょう。
- 外出先でインターネットを使わない
- 自宅に回線を引ける
外出先でインターネットを使わない
外出先でインターネットを使う頻度が少ない人は、ポケット型Wi-Fiが不要でしょう。ポケット型Wi-Fiがなくても、4GLTEや5G回線に繋げば問題ありません。
3大キャリアのスマホを使っている人も、ポケット型Wi-Fiが不要と言えます。ほとんどのプランで1ヶ月あたりのデータ通信量が多いからです。
データ通信量の消費が気にならない人は、ポケット型Wi-Fiが不要です。
自宅に回線を引ける
自宅に回線を引ける人は、ポケット型Wi-Fiが必要ないでしょう。ポケット型Wi-Fiより固定回線のほうが、通信速度が速く安定しているからです。
固定回線はポケット型Wi-Fiのデメリットをカバーします。外出先に持ち運ぶことはできないものの、自宅メインでインターネットを利用する場合は圧倒的に固定回線がおすすめです。
ポケット型Wi-Fiの基本的な使い方
ポケット型Wi-Fiの使い方は以下の通りです。細かい使い方は機種によって異なるものの、大まかには以下の流れで使い始められます。
- ポケット型Wi-FiにSIMカードを挿入
- 端末でWi-Fi接続設定
- 端末にSSIDとパスワードを入力
①ポケット型Wi-FiにSIMカードを挿入
ポケット型Wi-Fiを受け取ったらSIMカードを挿入しましょう。
ポケット型Wi-Fiの仕組みはスマホとほとんど同じです。基地局からの電波をキャッチするため、SIMカードが必要になります。
SIMカードを挿入したらポケット型Wi-Fiの電源を入れてください。
②端末でWi-Fi接続設定
続いて、ポケット型Wi-Fiに接続したいスマホやパソコンなどで、Wi-Fiの接続設定を行います。
詳しいWi-Fi接続設定は、ポケット型Wi-Fiにより異なります。ポケット型Wi-Fiに同梱されている説明書などをご覧ください。
③端末にSSIDとパスワードを入力
Wi-Fi接続設定が完了したら、端末にSSIDとパスワードを入力します。SSIDとはアクセスポイントの名前です。ポケット型Wi-Fiごと個別に設定されています。
(参考:ELECOM)
SSIDとパスワードは、ポケット型Wi-Fiに同梱されている説明書などに記載されています。他人に見られないよう厳重に保管しておいてください。
ポケット型Wi-Fiの仕組みに関してよくある質問
ポケット型Wi-Fiの仕組みに関してよくある質問と回答をまとめました。以下をタップして、気になる疑問を解消してください。
ポケット型Wi-Fiはデメリットだらけって本当?
ポケット型Wi-Fiはデメリットだらけではありません。以下のようなメリットがあります。
- 工事不要で使える
- 固定回線より料金が安い
- 1日利用からレンタル可能
- どこでもWiFiに接続できる
ポケット型Wi-Fiは工事の必要性がありません。即日から利用を始められます。
固定回線より料金を安く抑えられます。レンタルも可能なので、長期間の旅行や急な出張にも対応しやすいでしょう。
ポケット型Wi-Fiを持ち運びできるため、あらゆる場所でWi-Fiに接続できるのが便利なポイントです。
レンタルにおすすめのポケット型Wi-Fiはどれ?
レンタルの日数別に、以下のポケット型Wi-Fiがおすすめです。
- 1日単位:Wi-Fiレンタル屋さん
- 1週間、1ヶ月単位:WiFiレンタルどっとこむ
ポケット型Wi-Fiをレンタルする場合、通常の契約と異なり契約期間に縛りがありません。旅行や出張など、あなたのスケジュールに合わせて使えます。
ポケット型Wi-Fiを使ってるのはどんな人?
ポケット型Wi-Fiを使っているのは、外出先でインターネットを使う機会が多い人です。Wi-Fiに接続すれば、スマホのデータ通信量を節約できます。
自宅に固定回線を引けない人もポケット型Wi-Fiを使っています。ポケット型Wi-Fiを使うかどうかは、インターネットの使用頻度や場所を踏まえて判断しましょう。
ポケット型Wi-Fiの仕組みを理解して必要性を判断しよう
モバイルルータとも呼ばれるポケット型Wi-Fiは、簡単に持ち運びできます。固定回線と異なり、外出先でWi-Fiに接続できるのが特徴です。
ポケット型Wi-Fiが繋がる仕組みは、スマホと似ています。ドコモやWiMAXなどが整備している基地局から発せられた電波をキャッチすることで、通信が可能です。
ポケット型Wi-Fiは工事不要で使えたり1日からレンタルできたりと、さまざまなメリットがあります。一方で回線速度が遅かったり安定しなかったりと、デメリットがあるのも事実です。
外出先か自宅のどちらでインターネットを頻繁に使うか考えてみてください。自宅に固定回線は引けるかなども一緒に考え、ポケット型Wi-Fiを導入するかどうか判断しましょう。